魔王城にさらわれた一国の姫が、安眠ライフのために魔物素材を剥ぎ取りまくる日常系マンガ。
『魔王城でおやすみ』という作品をご存知でしょうか?
本作、採集&合成を目的とし、ひたすらに城を闊歩しては、良質な眠りの為の原材料を求めうろつく、一風変わったハック&スラッシュ系作品となっています。
やけに行動力に溢れ、おてんばを超えた実行力で次々と狩りをこなす姫が特徴的な本作。
その溢れる魅力をこのページではお届けしていこうと思います。
魔王にさらわれた姫!しかし……
寝る以外……することがない。
魔王により、囚われの身となったスヤリス姫。
彼女の苦しみのいかばかりか、と慮る国民をよそに、実際はヒマ三昧の日々なのです。
三食美味しい、仕事もナシ。
おいおい、どこの楽園だよ。というツッコミを入れざるを得ない、好待遇ぶりを満喫するスヤリス姫。
おやつ付きのお食事保証に加え、公務のないニートライフは羨望の対象ですわ!
しかしかごの中の鳥とはよく言ったもので、仕事をしなくてもいいというのは、過ぎれば毒でもあります。
やがて睡眠に対して貪欲さを発揮し始めた彼女は、より良い眠りのために行動を開始するのである……!
魔物は剥ぎ取って使いこむモノ
姫ッ、目が怖いッス……!
彼女の目に写る魔物の姿とは、それすなわち”寝具の材料or加工用工具“そのものであります。
よって魔物の蘇生を一手に請け負うなくてはならない人材の上記『あくましゅうどうし』も、姫にとってはまるで異なるフォルムに見えているのです。
ヤスリと化した、あくましゅうどうし。
棺桶のフチを滑らかにする、というだけの目的で、高速左右運動を強いられることに。
魔物にも人権はあるよぉ…!
こうした材料扱いは人型であれ獣型であれ等しく、周囲のすべてがスヤリス姫には材料/道具に見えてしまうのです。
割と辛口
淑やかな笑顔とは裏腹に、毒舌がキラリと光るスヤリス姫。
見た目以外はジャイアニズムの化身であるため、泥棒・誘拐・解体となんでもござれ。
涼やかに繰り出す口撃により、特に精神的大ダメージを頻繁に周囲へと与えまくっています。
お淑やかで優しく、慎ましい貞女だといつから勘違いしていた……?
より良い眠りのためなら、罪の意識など後回し。
良心の呵責?スヤスヤの前には屁みたいなモンだぜ!
盗み、奪い、削ぎ取り、毟り、魔王城のすべてを略取するのだ、スヤリス!
過大評価される王族の血
牢の鍵を自由に開け、好き勝手にあちこちを闊歩する姫。
当然ながら騒ぎになる魔族サイドですが、多くはその得体の知れぬ底力を恐れ、迂闊に手出しの出来ないジレンマ。
王族だろ……?ヤッベェチカラあるに決まってんジャン……!
「パン・ツー」のジェスチャーですらも、「アイ・キル・ユー」へ置換される王族の威光よ……!
『人質なので手荒に扱えない+なんかこわい』のダブルコンボによって、もはやスヤリスを止められる人材は魔王城には居ないのです。
逃げる気ゼロの人質
囚われの姫といえば助けを待つものですが、スヤリスちゃんにはそんな意識は皆無。
フラッと出かけて騒がせた魔族の気も知らず、自発的に自室へと戻るフリーダムぶりよ。
世の喧騒など彼女には一抹も気にかける事柄ではなく、ただひたすらに良眠を貪る睡眠の亡者。
人の国に未練など微塵も無し……!
自室の改造と健康的な生活習慣に心血を注ぐスヤリスには、もはや実家の暮らしなど遠い過去の記憶。
むしろ今の方が快適まである悠々自適ぶりゆえに、その実態は両親や勇者さま、国民らには見られたくない一面でもあります。
なおアニメ化も決定しており、2020.10から放映開始とのことです。
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