【鬼滅の刃】にて、辛くも敗北を喫した鬼舞辻無惨。
彼が勝利を手にするには、どうすれば良かったのか?
今回は玉壺が仮に、無惨に対してモノが言える軍師ポジションであったら?
という前提で、鬼の勝利シナリオを考察していこうと思います。
無惨さま!私の進言をどうかお聞き入れくだされ!
黙れ殺す
アッ――!
ホワイト企業化せよ!
無惨さま、社員(鬼)どもから沈痛な嘆願書が届いております。
嘆願だと?貴様ら有象無象がこの私に意見するというのか。
と、ともかく一度!下々の声に耳をお傾けくだされ!
うっかり名前を呼んだら、口からぶっ太い手が生えた。
もう少しで耳飾りの剣士を葬れそうだったのに、無惨さまは何を考えておられるのですか?
否定も肯定も発言もぜ~んぶ揚げ足を取られて、同僚一同、み~んな食べられちゃいました。
暴力背景のパワハラ環境すぎて、やる気もなにもあったもんじゃありません。
心の中はプライベートなんで、不干渉で願えますか?
後継げ後継げって、経営苦しくなったら社運を人任せって、あなた人生ナメてません?
見苦しく縋り付いてきて端的にキモい。
それも最期には泣き落としって、これまで自分のやってきたこと覚えてないんですかね。
全員殺す。
ヒョッ、堪えてくだされ!
ここは我ら鬼舞辻カンパニー、労働環境の刷新を迫られている場面なのです!
ホワイトへの道:腕自慢以外にも日の目を!
強さに位を与え、中でも十二鬼月への所属を最高の誉れとする鬼舞辻カンパニー。
しかし人を喰えば喰うほど強くなれる一方で、心を病んでしまう社員も存在しています。
社員の響凱は前期、下弦の陸でした。
しかし無惨社長によるメシハラを拒否したことで、無情にも降格を余儀なくされました。
弱い者は数字を剥奪し、強い者だけを重用する。
至極当然な、自然の摂理だろう。
むろん、ある程度の武力は必須です。
しかしただ殴り合いが強いだけの人員では、いずれそれを超える剣士が現れた時に為す術もありません。
響凱の能力は『屋敷の縦横無尽な操作』と、『不可視の爪』による斬撃。
鳴き女の下位互換ではあるものの、閉鎖空間においてはかなり強力なアビリティです。
鬼狩りの隔絶、軟禁、有利フィールドへの誘導など、基礎能力さえ向上すれば、かなり使い勝手の良いコマとして働いてくれたでしょう。
空間操作系の能力者は稀少です。
正面から斬り合うことを避ければ、大半の剣士どもは十二分に力を振るえないでしょう。
貴様の戦術は小細工ばかり推すな。
鬼の本懐は圧倒的膂力で、塵どもを捻り潰すことであろう。
仰る通りです!しかし、勝てば官軍、敗ければ賊軍という諺もあります。
私めは無惨さまに、確実で堅実な勝利を献上したい!
更に魘夢のような変則タイプは、ツボにハマればワンサイドゲームで柱すらも始末することが可能です。
広範囲・低リスク・不可避と三拍子揃ったスーパースキル。
決まれば確殺という恩恵は、およそ肉弾戦タイプでは得られないアドバンテージなのです。
一方で猗窩座殿のようなわんぱく相撲タイプは、純粋な白兵戦一辺倒なので搦め手を用いる変化球相手には弱いのです。
個人的には、奴めの数字を剥奪することを推奨いたしまする…
貴様が猗窩座を嫌っていることはよく分かった…
ホワイトへの道:チームで戦え!
無惨さま、鬼狩りどもはいつも徒党を組んでおりますな。
鬼もそうすべき、とでも言いたいのか?
能力には相乗効果というものがありまする。
単体では使い物にならない血鬼術も、組み合わせることで掛け算の結果を生み出すでしょう。
例えば堕姫と妓夫太郎。
同時に首を斬られない限りは滅せず、なおかつ致死性猛毒の削りもあります。
前述の響凱のような空間操作系と組ませることで、爆発的なシナジーを発揮することになるでしょう。
こうした能力の掛け合わせは鬼の数だけ存在し、上弦・下弦といった位に拘らずに見直していけば、思いもよらぬシナジーピックも発見出来るのでは。
鬼の弱点は、我が強く、互いに同胞を競争相手としか見ていない点でしょう。
しかし無惨さまの号令とあらば、奴らめを結託させることも容易なはず。
小賢しい細工だが、鬼狩りどもを滅するには必要か。
玉壺殿、仲良し作戦なら任せてほしい!
俺は誰かと仲良くなるのが得意なんだよなぁ!
では童磨、貴様に任せる。
いや……それは……
(不安。とても……)
ホワイトへの道:社員のやる気を引き出せ!
……と、いうような旨を仰っていたことを、憶えておいででしょうか?
偽りない本心だ。
貴様らはぬけぬけと生を謳歌しながら、私になんの報恩も果たさない。
心に浮かべるまでは、無惨さまの自由でございます。
しかしひとたび、それを口にしてしまえば、たとえ人の理に外れる鬼なれど、やはり士気は下がる一方なのです。
チームリーダーに必要な要素。それは誰よりも優れた技術でも、卓越した頭脳でもありません。
『牽引力』『求心力』『組織力』
これらを取り揃えた者こそ、集団をまとめ上げるに相応しい人材と呼べます。
その点では、産屋敷は非常によくそれらを体現した男でもありました。
これまでの鬼舞辻カンパニーは、いわば恐怖政治による完全独裁支配。
過剰なノルマを課し、飴を与えずに鞭だけを振るう支配者。こんなブラック企業では、よほどのマゾヒストか、頭のネジがぶっ飛んだ者しかついていけません。
これです!まさにこれ!
我ら、無惨さまからのお褒めの言葉をひとつでも拝領するならば、それは億千の財宝にも比類しない究極の誉れ!
鬼舞辻カンパニーは、褒めて育てる社風へと変わっていくことを誓います!
失敗を責め立てず、分析し、対策を立て、次に活かすフローを構築するのです。
鬼狩りとの戦いで生き残った鬼を手厚く看護し、戦闘データを収集し、戦闘員の仔細を細かに記していきましょう。
発言を奨励し、意見を求め、頭の中身を読まない就労環境の形成。
無惨社長のもとで働くことの喜びを、いま一度鬼たちへ広く伝えていきましょう。
しかし、甘すぎてなあなあの馴れ合いではなく、きっちりと分別を付けることも重要です。
よって規律に違反した者は厳しく罰する反面、従順に忠誠を誓う者を労い、励まし、背を押してやるのです。
これにて鬼舞辻カンパニー、ホワイト企業化へのロードマップは完成しました!
ああ、しかし……
鍛人の里へ赴いたのは私めの案だというのに、まるで初めから存在していなかったかのように扱いなさる……
ご無体な……、でもそこがいい……
(気持ち悪いな……)
協力者を断て!
無惨さま、藤の花の家紋をあつらえた門扉をご覧になったことは?
それがどうした。
それがどうもあの家紋、鬼殺の剣士に無償で奉仕する、協力者の証らしいのです。
鬼殺隊に救われた由来を持つ、藤の花の家紋を記す家々。
彼らは飯や宿の世話に加え、傷付いた剣士のために医者を呼び寄せたりと、手厚いサポートを快く受け持っています。
ならばこの家紋、鬼としてはこれ以上にない標的の目印。
門扉にこのシンボルマークをあつらえた家屋を、片っ端から襲撃すべきでしょう。
こんな雑魚を何匹仕留めようが、何も変わるものでもあるまい。
時間の無駄も甚だしい。
いえ無惨さま、戦いの結果とはそれ自体よりも、事前の備えや後始末にこそ強く依存するものです。
奴らめの本分は剣士。糧秣一食すらも自らで賄うことは出来ません。
現代風に言うなら、インフラを断つのです。
実際にすべての藤の家紋を打ち払うのは、数が膨大すぎて難しいでしょう。
しかしそこまで手を尽くすこともなく、ある一定ラインで彼らは自壊することになるでしょう。
なぜなら、
「藤の家紋の家がまた襲われた」「鬼狩りに協力すると一族郎党、皆殺しになる」
こういったイメージを植え付ければいいだけです。場合によっては、町々で噂を流してみるのも効果的でしょう。
鬼に抗う術を持たない一般市民はこれを恐れ、自発的に協力関係を解消したいと鬼殺隊へ願い出ることとなるでしょう。
傷を癒し腹を満たす屋根付きの寝床は、兵士にとってなくてはならないオアシスです。
こうした拠点を潰していくことは、相対的に鬼の勢力を増すことへ繋がるのです。
藤の家を、鬼殺の剣士が守護するようになったらどうなる。
それこそ奴ばらにすれば本末転倒!
下支えの協力者へ貴重な兵力を割けば、鬼を狩る手も足りなくなりましょうぞ。
気に入った。
まずは手当たり次第に、藤の家紋を焼き払え!
ははっ!
鬼殺の剣士を鬼と化せ!
ヒョッ!
無惨さま、上弦の壱殿は、恐るべき無双の剣士にございますな。
それに獪岳という元・鬼狩りの若造、なかなかに伸びしろのある様子……
みなまで言うな。
呼吸を使う剣士を鬼として配下に揃えろ、というのだろう。
上弦の壱・黒死牟。上弦の陸・獪岳。
いずれも鬼殺の剣士ながら、鬼と化した裏切りの鬼狩り達です。
呼吸を扱う剣士が鬼と化した場合、通常の鬼よりも強力に仕上がるのは証明済みの事案。
もともとが人間離れした人間を、更に飛躍させるのですから、当然といえば当然です。
こうした剣士たちをうまく恭順させ、手駒に加えることが出来れば更に鬼舞辻カンパニーは安泰でしょう。
だが強い剣士を殺さずに捕獲し、なおかつ忠誠を誓わせるのは容易ではない。
そもそも、黒死牟ほどの腕前の剣士なぞ、そうそう生まれ出ずるものでもあるまい。
無残さま、その点ですが……
実は『弱い剣士』でも、十二分に構わないのであります。
鬼狩り捕獲案:弱い剣士を狙え!
強い剣士は捕獲に難があり、そもそも遭遇することすらも容易ではありません。
であるならば、狙い目は駆け出しの新米。
実戦経験の浅い若造であれば簡単に身柄を押さえることが可能で、なおかつ鬼殺隊への忠誠心もそれほど芽生えていないため、服従させることも比較的簡易な部類に入るでしょう。
矛盾だな。
戦力のあてにならない屑剣士を鬼と化したところで、我らの得となるはずもない。
無限の時間を修練に費やすことの出来る鬼と化せば、中には化ける者も居りましょうや。
それに、仮に腕前劣る下級鬼と化そうとも、奴らめには特別な任務を用意して御座います……。
……?
鬼狩り捕獲案:潜入せよ!
柱のような手練れ、または飛び抜けた嗅覚や聴覚を備えた者には、我らの正体は一見で露見しまする。
ですが裏を返せば、そこそこの使い手や、ましてや一般人には見破れぬ、ということにもなるのです。
ステップ2、弱い鬼狩りを裏切らせ、鬼と化したところからスタートです。
この下級鬼の役割は、ズバリ潜入任務。
鬼狩りを装いながら、敵の重要拠点を割り出し、可能なら鬼殺の剣士を暗殺するミッションを請け負うのです。
具体的にどう詰める。
一連を可視化しておきましたゆえ……
- 1.鴉の駆除
伝令の鴉に真相を伝えられるとご破算になるため、あらかじめ裏切らせた剣士のお付き鴉を駆除しておく。
- 2.敗走兵の偽装
鬼に手傷を負わせ、藤の家紋の家を訪ねさせる。
- 3.救援の要請
近場の剣士に救援を要請するよう、藤の家の者に乞う。
- 4.駆逐、或いは潜入続行
到着した剣士らを、油断の内に始末する。
可能ならば、更に重要な拠点の割り出しのため、潜入を続行する。 - 5.帰還
割り出した拠点の位置を鬼舞辻カンパニーへ伝えるため、密かに脱出を図る。
粗は多いな。
うまく拠点を割り出せるかも疑問だが、最大の難点は日光だろう。
まさしく仰る通り!
日中に随伴を強いられた場合、拒否すれば正体が露見、従えば死滅の二択となります。
しかしこの作戦、露見したあとにこそ、より効果を増していくものであります……。
仮に鬼殺隊員に裏切りの鬼が出たとなれば、隊士たちはどう考えるでしょう。
それも単純な造反ではなく、組織内への潜入というカタチで。
「隣のコイツが鬼かもしれない」「信頼していた先輩が鬼になったと聞いた」
こうした疑心暗鬼はボディブローのようにじわじわと効いていき、やがて鬼殺隊全体に霞がかった不信感が蔓延するでしょう。
『日光を浴びる』という唯一明快な証明手段はあるものの、それも夜を一度跨げば、無効な手形と化します。
結果的に陽が沈んだあとに彼らの心に浮かぶ仮想敵は、鬼だけでなく、隣の同胞も常に含まれることになるのです。
実に薄汚く、卑劣極まる搦め手だ。早速実行せよ!
ははっ!
鬼狩りどもだけでなく、民間人からも不信感は募るだろう。
そうなればやがては、鬼殺隊へ与する、忌々しい協力者たちの影も消え去るやもしれぬな……。
鬼狩り捕獲案:鬼も呼吸を学べ!
捕らえた剣士に、呼吸法について吐かせるのも一興やもしれぬ。
おお、我らもあの、奴らめの忌々しき呼吸を使うのですな!
呼吸法自体には鬼を滅する効力はなく、あくまで身体強化のためのスキルに数えられます。
鬼と化してからこれらを学べない道理はなく、仮に可能であれば、誰もが黒死牟のような剣士となることが期待出来るでしょう。
血鬼術と呼吸法による武装が伴えば、人間に遅れを取る確率は著しく低下するのでは。
では私め、『壺の呼吸』の創始者として邁進いたしまする……。
黒死牟殿、ぜひコツをばー!
…………。
(よわそう)
廃刀せよ!
無惨さま、鬼殺の剣士が持つ刀が特別なことはご存知でしょう。
あの忌々しい日輪刀か。
鬼の弱点となる、太陽の陽を含んだ金属だな。
ならばその刀、元を断ってしまうのはいかがでしょう!
玉壺と半天狗は刀鍛冶の里を強襲しましたが、これは下策。
空里に居を移されれば元の木阿弥で、またどれだけ刀鍛冶を始末しようとも、後進に技術を伝えられるだけです。
ならば刀を打つ者でなく、刀の原料を絶つべきではないでしょうか。
太陽に一番近い山で取れるという、猩々緋砂鉄と猩々緋鉱石。
稀少な鉱石が採集出来る山はここのみであり、替えのきかない唯一無二の聖地です。
空里のように移すことも出来ないため、この山を攻略すれば、実質的に日輪刀の量産は不可能となります。
だが戦略的に重要拠点であることは敵も重々承知。
柱で守りを固められはしまいか?
さすがは無惨さま!しかしご安心を。
攻め手は最初の数回と、その後は散発的な遊撃で構いませぬ。
結果、ここに奴らの主力を釘付けに出来ればしめたもの!
剣士どもは、いつ来るかも分からぬ鬼を待ちぼうけるということか。
現実的には、山の入り口を完全封鎖し続けることは困難でしょう。
しかし「この山は鬼に狙われている」というイメージさえ与えてしまえば、しめたものです。
下請け民間人の鉱石掘りは鬼を恐れ、仕事の依頼も請け負わなくなるため、鬼殺隊は『隠』や下っ端剣士を掘削に向かわせるほかなくなります。
そこで何度か上弦の鬼を向かわせれば、必ず柱の誰かが派遣されることになるでしょう。
あとは手薄になったその他拠点を攻めるも良し、上弦を集結させて柱を狩るも良し。
日輪刀を完全に断つことは出来ないにしろ、優位性を保つことは可能になるでしょう。
しかし一点、藤の花による結界が使われているやもしれませぬ。
遠隔血鬼術か、火をもって焼き払えば良かろう。
では早速、太陽に一番近い山を焼き打ちせよ!
ははっ!
果報は寝て待て!
無残さま、これは最終手段に御座います。
聞かせろ。
でしたら10年ほど、しばらくのんびりしてみてはいかがでしょうか?
むんッ!
(ああ、無惨さまの手が私の頭に…!)
痣者の消費期限は満25歳
竈門炭治郎を発端に、次々と痣者の伝播し出した今期の鬼殺隊。
始まりの剣士らを想起させる彼らが、無惨社長にとって大敵となる可能性は非常に高いです。
であるならば。何を急ごう、不死の者。
死なぬなら 死ぬまで待とう 痣の者
なんなら川柳ひとつ、詠めてしまいます。
この作戦は簡単で、現状の剣士の最低年齢をだいたい15歳と仮定すると、およそ10年で満25歳へ達するというもの。
現状で痣を発動した者らは残らず死に絶え、あとには痣の出なかった残りカスが居残るのみ。
痣が伝播し続け、10年後も残っていたらどうなる。
または25歳というくびきを逃れ、それ以上に生存し続けるやもしれぬ。
今ほど痣者が大量に集ったのは、始まりの剣士以来と仰られました。
であれば、今この時さえすり抜ければ、痣の連鎖反応は必ずや収まると考えられましょうぞ。
そして痣の理を超えるような怪物は、例の耳飾りの男のほか、確認されてはいませぬ……
黒死牟による報告では、継国縁壱のほかに寿命の前借りを逃れた剣士は存在しないとのこと。
無惨社長がこれまで対峙した剣士がいずれも足元にも及ばない、まさに人外の怪者。
恐らく彼ほどの逸材は今後一切現れず、また今世でもそれに類するような鬼狩りは見当たりません。
よって『10年ぐうたら計画』は非常に簡易に、何の苦労もなく痣者を葬り去る最終手段と呼べそうです。
チッ、
一刻も早く青い彼岸花を手に入れねばならぬというのに……
手慰みですが、私めと共に、壺の創作活動などで時間をお潰し頂きたく……
断る。
鬼舞辻カンパニー勝利へのまとめ
美しい……!
まさに芸術ッ!この玉壺、感涙咽ぶこと滝の如しッ!
これで憎い鬼狩りどもを滅することが叶うなら、安い代償よ……。
手始めに就業打刻の実装と、定時帰社の徹底を呼びかけよッ!
ははァッ!!
がんばれ鬼舞辻カンパニー!負けるな鬼舞辻カンパニー!
未来は鬼のものだ!フレフレ、鬼舞辻カンパニー!
アニメ版もオススメです。
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