先日リリースされた【喧嘩稼業】の13巻。
その内容を、若干のネタバレを含みながら紹介していきます。
前巻より引き継いだ上杉 vs. 芝原の死闘も、遂に決着。
互いに煉獄と金剛を持つ者同士の、どちらに転んでもおかしくないバトルの結末やいかに?
また裏で淡々と進行していく、田島の目潰し作戦。
十兵衛、里見の目論見は果たして成就するのでしょうか?
見どころ盛りだくさんで進行する喧嘩の行く末に、カラカラになるまで目ん玉をかっ開いていきましょう!
合気最強への道筋
現実でも多く論争される、「合気道は果たして実戦的か?」という問いへの答えの一端を、芝原はこの試合で見せます。
もともと合気道は突き詰めると、「争う気すらも制す」という極地へ至ります。
つまりは自らすすんで攻めることを良しとせず、捌きに特化した守りの武道と呼べるでしょう。
よって陰陽トーナメントのような、対面した状態から始まる対戦形式には向かない、と思われていました。
芝原はこの問題に対し、「総合格闘技のテクニックを融合する」という解答を示します。
腕を引き投げ落とし、マウントに持ち込んで打撃戦へ転じる。
病魔に蝕まれ老い先の短い老人が、ハンマーパンチで喧嘩王をボコるさまは、見るものすべてに上杉の敗北を予期させました。
煉獄・金剛合戦の行く末は
互いに煉獄・金剛を使い得る芝原と上杉。
金田 vs.十兵衛戦で煉獄が披露されたことで、その使い手や対策はいまや急速に広がりつつあります。
煉獄 | 金剛 | |
---|---|---|
芝原 | 不完全・対策アリ | 不完全 |
上杉 | 完全 | 不完全 |
入江・十兵衛 | 不完全 | 完全 |
梶原 | 未習得 | 完全 |
上記は現段階での、金剛と煉獄にまつわる習得表。
中でも芝原の煉獄に対する理解は思いのほか深く、自身の使用はもとより、その対策を用意しているのがポイントでしょう。
もはや進道塾生以外が煉獄を打つことは珍しくなく、またその連撃が途絶えないというのも夢想となりつつあります。
まだこの時点で、”陽側”の選手は煉獄というひとつの技の存在に辿り着いてすらいないものの、今後いくつもの「煉獄潰し」が生まれ出ずることは予想に難くないでしょう。
芝原はこの一試合でふたつもの煉獄封じを見せ、里見を驚嘆させました。
そしてここまで立ち回りで圧倒的に後塵を拝していた上杉ですが、窮地にあたって覚醒を果たします。
それはまったくスタイルの異なる梶原が一回戦で見せた、肘を使った零距離金剛。
およそ予想だにしない技の応酬の結末は、ぜひともご自身でお確かめあれ。
策士・里見の目潰し作戦は波乱の展開へと
利害の一致で一時的に手を組んでいる十兵衛と里見。
田島の片目を潰すことを目標に、水面下で計画が進行しつつあります。
現在、ボディガードのアリは麻酔薬でネンネの状態。
あとは首尾よく田島を独りにすることが出来れば、里見か上杉が目を突くことが出来る段までハナシは進んでいます。
誰だよ、お前!
突如現れた、アンダーグラウンドB級闘士のB.B.B.という男。
彼は次戦、山本陸との対戦に備え、田島にアドバイスを求めたところでスカウトを受けます。
こりゃどうにも、一筋縄でいかないニオイがプンプンしてきました。
「B級格闘士なんて、里見や上杉の敵じゃないっしょ?」
こう考えるのはややデンジャー。
そもそも敗北=死であるアンダーグラウンド戦において、闘士のランクはあくまで参考程度に捉えるのがベターでしょう。
今生きてただここに居るというだけで、それなりのサバイブ能力は有しているのですから。
彼の正体は、元イギリス軍・グルカ兵。
ネパールの山岳民族からのみ選出される戦闘集団です。
彼らの武勇伝は世界中に轟いており、常に傾向するククリナイフは、それに対峙する兵士をそれだけで震え上がらせると言われています。
田島・里見・上杉・B.B.B.
こんなメンツが揃った時、ヤバめの波乱が起きないワケがないッ!
顛末は次巻以降に引き継がれるものの、ワクワクの止まらないシチュエーションは垂涎であります。
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