マンガ版【ゴブリンスレイヤー】シリーズにて、過去から現在に繋がるまでのタイムラインを追いかける記事になります。
内容には、外伝「イヤーワン」および、外伝2「ダイ・カタナ」を含みます。
剣の乙女の過去やゴブスレの幼少期など、本編だけでは窺い知ることの出来ない時系列をチェックしておけば、更に深く物語を楽しむことが出来るでしょう。
10年前:辺境の小さな村にて
約10年前、辺境の小さな村にて。
ゴブリンの大群は村を襲い、片端から殺し、奪い、辱めます。
誰ひとり生き残りの居ないと思われたそこに、たったひとり、少年が身を隠していました。
彼は自分の姉が慰み者となりながら死んでいくのを目前で眺めながら、それでもじっと息を殺して耐え忍びます。
老圃人(レーア)との出会い
誰からも見捨てられた村を訪れた、老いた圃人。
彼はその場に居たゴブリンを皆殺しにして、息も絶え絶えな瀕死の少年を救いました。
やがて人里離れた雪山で、老圃人は少年に生存のための訓練を授けます。
指導は厳しく過酷でしたが、生きるためには、”考えること” “行動すること“が必要であると少年は学びます。
修行の終わり
厳しい修業は5年間続き、ある日ふと「旅に出る」と言い残し、老いた圃人は少年の前から姿を消します。
それはきっと、「もう教えることはない」という彼なりのメッセージであったのでしょうか。
10年前:城塞都市・死の迷宮にて
現在より10年前、城塞都市と呼ばれる街にて。
この大きな街には無尽蔵の怪物と財宝の湧き出る、”死の迷宮“がありました。
冒険者らは富、或いは名声を得るために、誰もがこぞってダンジョンを踏破しようと挑み続けます。
若かりし「剣の乙女」はこの街に滞在していましたが、決して現在のような敬われる立場ではありませんでした。
むしろ最初の冒険で”失敗した“ことで、他の冒険者からは「鑑定屋」と蔑まれています。
彼女にはダンジョンへ連れ立つ同胞も居らず、来る日も来る日も、日銭のために他の冒険者の持ち帰った宝を鑑定するだけの日々が続いていました。
一党の結成
刀使い・斥候・魔術師・槍使い・僧侶・神官。
半数以上が迷宮未経験者であるものの、6人の一党が結成されます。
最奥に居るとされる、魔神王。
その討伐のために、またひとつ新たなパーティが、死の迷宮へと足を踏み入れるのでした。
魔神王の討伐
迷宮の主である魔神王を討伐した六人は、英雄として崇められることとなりました。
5年前:新人冒険者の誕生
とあるギルドに、平凡な只人の青年が冒険者として登録を願い出ます。
彼は外面を捨てた、実用性重視の装備をなけなしの金で買い漁り、たったひとりでゴブリンの殲滅を請け負います。
この日、のちのちまで唄となって語り継がれる冒険者、小鬼殺しが誕生したのです。
幼なじみとの再会
街道沿いの牧場、伯父の元で暮らしていた”あの娘“
彼女は偶然道を歩くゴブリンスレイヤーに気付き、彼を引き留めます。
こうして互いに生死すらも定かでなかった滅びた村の生き残り同士が、再び出会うことが出来たのです。
ゴブリンスレイヤーは下宿を許され、帰るべき家を得ます。
彼らの凍り付いた時間が、ゆっくりと融け始めた瞬間でした。
坑道の依頼
数件の依頼をこなして自信をつけた、新米4人パーティ。
頭目を務めるのは、ゴブリンスレイヤーと同時期に冒険者となった「若い戦士」の男でした。
彼らは坑道に巣食う「ブロブ」退治を請け負い、意気揚々と暗闇を進みます。
しかしそこで待ち受けていたのは、凶悪にして強大な魔物「岩喰怪虫」なのでした。
一瞬にしてパーティは壊滅。
エルフの弓手は食い殺され、前衛の仲間も腕を失います。
油断した冒険者の末路。
否、どれだけ準備を万端にしようとも、神々の骰子しだいで簡単に命運などは変わってしまう。
酷で非情な世界の理は、教訓の対価として仲間の命という代償を求めたのです。
そうしてトラウマを抱えた若い戦士は、しばし酒に溺れる日々を送ることになりました。
勇者とゴブリンスレイヤー
辺境の小さな村を、ゴブリンから守る依頼を受けた彼。
単独ながらも見事に立ち回ると、小鬼の魔手から村人たちを守り切りました。
また、そこで出会った孤児の少女は、のちに”勇者“として世界を救う旅に出る者でした。
今は互いの素性は知れずとも、彼らは再び出会うことになります。
仇討ち
岩喰怪虫が出没したとの報を受けたギルドは、大規模な合同討伐隊を募集。
複数の一党が徒党を組み、坑道に巣食う怪物を駆除に向かいます。
そこには、自暴自棄となり果てたはずの若い戦士の姿もありました。
彼は白磁の仲間らと共に、岩喰怪虫へ一矢報いることに成功。
やがて冒険者同士の連携の甲斐あって、巨大な化け物は地を這うこととなりました。
女神官とゴブリンスレイヤー
神殿で治療の手伝いをする、幼き日の女神官。
ゴブリン狩りで満身創痍となったゴブリンスレイヤーとの、最初の出会いでした。
傷付いた彼の姿に無意識に地母神へ願った彼女は、その日初めて小癒の奇跡を発動。
自覚のない偶発的なものでしたが、それでも確かにこれがきっかけと呼べるものでした。
彼らが共に冒険に出かけるのは、もう少しあとのお話。
アークメイジとゴブリンスレイヤー
とある巣穴で拾った指輪の鑑定に、町外れの魔術師を訪ねたゴブリンスレイヤー。
そこには偏屈で変わり者と称される、「孤電の術士」が住んでいました。
彼女は魔物の全書、”怪物辞典“の改訂を執筆中。
指輪の対価としてゴブリンの知識を求めたゴブリンスレイヤーは、アークメイジと共に巣穴へ潜ることになりました。
現代:小鬼を殺す者
冒険者として最初の依頼に出た女神官。
しかしゴブリンの群れによってパーティは壊滅し、自身も窮地に陥ります。
そこに現れたのは、無尽蔵のゴブリンを狩り、銀等級まで上り詰めたゴブリンスレイヤー。
互いに記憶にすらなかったものの、5年前からの奇跡的な再会を果たしたのでした。
数か月前:とある酒場にて
種族間合議によって編成された、エルフ・ドワーフ・リザードマンのパーティ。
本来なら融通の利かない間柄であるはずの生い立ちをものともしない、一風変わったメンバーが出揃います。
彼らは森人の里に近い場所に潜んだ、ゴブリンの巣穴を駆除するように依頼されます。
しかし互いの頭目が密かな軍事活動でないと納得するには、各種族の面子が最低でもひとりずつ必要。
残る只人を誰にするかと悩んでいたところ、エルフは、「流行りの吟遊詩人の歌で、心当たりがある」と言ったのでした。
人喰い鬼との邂逅
臨時で組んだ一党にて、遺跡のゴブリンを掃討する作戦が開始されます。
巣穴には近隣の森人が囚われており、捕虜を解放しながらの行軍が続きます。
最奥には高位の祈らぬ者である人喰い鬼が潜んでおり、一党は協力してこの難敵を撃破。
この冒険ののち、これまでの戦績を認められた女神官は白磁から黒曜等級へと昇格されました。
ゴブリンロードとの戦い
街道沿いの牧場を、街への侵攻の足掛かりに選んだゴブリンの軍勢。
いち早くその気配を気取ったゴブリンスレイヤーは、ギルドの冒険者たちに頭を下げ、自分のすべてを対価に助力を乞います。
平原にて100を超える小鬼の群れと、腕自慢の冒険者らの大規模戦闘。
ライダーにシャーマン、田舎者に小鬼英雄。
ゴブリンは総力をもって人間を蹂躙せしめんとするものの、ゴブリンスレイヤーの知恵と、腕っこきの勇士らによって阻まれることとなります。
やがて群れを捨て、敗走する小鬼の王を捕捉。
ゴブリンスレイヤーと女神官は、この邪悪で小さな王を討ち取りました。
水の街の遺跡探索
水の街、法の神殿の大司教から、ゴブリンスレイヤーへ直々に依頼が舞い込みます。
その内容は、街の地下に巣食うゴブリンを殲滅してほしい、とのこと。
彼女は10年前、死の迷宮を踏破し、魔神を打ち滅ぼした金等級の冒険者。
もはやかつての「鑑定屋」などと蔑まれた少女はどこにも居らず、今や立派な実力者の筆頭とも言える存在です。
しかしそんな彼女がわざわざ、辺境の冒険者に「ゴブリン狩り」を依頼するというのは少し妙な気もします。
それには彼女が最初の冒険で犯したという、”失敗”との深い関わりがあるのでした。
混沌の儀式場
都の最奥で、怪しげな鏡台に辿り着いたゴブリンスレイヤー一行。
鏡は”転移“の魔力を秘めており、ゴブリンの群れを輸送するために用いられていたのは明らかでした。
彼らは祭祀場を守るために集まったゴブリンの群れを、奇策にて一掃。
その後、古代の秘宝と目される鏡を惜しげもなく破棄すると、遂に剣の乙女から承った依頼を完遂することとなりました。
こうして、たったひとりの女性を守るためだけの戦いは幕を閉じます。
勇者参上
混沌の眷属たる、悪しき教団の棲み処を見つけた勇者・剣聖・賢者の一行。
一撃で異形を葬り去ると、邪悪な企みをもろとも灰燼に帰しました。
また偶然にも既に水の街の祭祀場はゴブリンスレイヤーらによって露見しており、はからずとも同時攻撃が成り立っていたのです。
これにより、混沌の禍々しい計画は瓦解することとなります。
いつか救った村の女の子と、小鬼を殺す者。
決して交わらない線と線ですが、たしかに同じ向きを向いていることが示されるのでした。
辺境 最・最・最
国王直々の依頼が、辺境のギルドへ舞い込みます。
内容は、「突如森の中に湧いた悪魔の塔を攻略せよ」とのもの。
生半可な冒険者には託せないと感じた受付嬢は、リーダーの重戦士を筆頭に、槍使い、そしてゴブリンスレイヤーを適任とします。
かくてゴブリンの出ない冒険に、各々が「辺境最**」と呼ばれる、最強の一党が結成されることに。
塔内部の攻略を全放棄した三名は、アンカーを手に外壁を登攀。
頂上に陣取った混沌の魔術師を軽く葬り去り、財宝を手にして依頼を完遂しました。
女神の託宣
夢の中で女神より啓示を受けた勇者。
天灯、嵐、そして巨人。
新たな旅路の先は、辺境の街で行われるお祭りなのでした。
祭り
地母神に死者の魂を導くよう祈る、街は収穫祭の時期。
天灯をこしらえ、空に浮かべる美しい祭事はつつがなく進んでいきます。
ゴブリンスレイヤーは常に備えます。
人が楽しみ、安らぎ、浮かれる祭りの最中。ゴブリンにとって、こんなにも容易い侵略の機会はそうそうありません。
そしてこの日、彼の懸念は現実のものと化したのでした。
闇人の計略
収穫祭に乗じ、街を壊滅させる計画を密かに進行させていた闇人。
ゴブリンを従え、更には混沌の呪物を用いて人の灯りを絶やそうと目論みます。
しかし、ゴブリンスレイヤーだけはこの謀略に気付きました。
彼は一党の仲間とともに、悪しき眷属らに立ち向かっていきます。
やがて呪物を触媒に、自身の身体へ「巨人の手」を召喚した闇人。
強力な加護と魔術を手に立ちはだかりましたが、一党はこの愚鈍な指揮官を討ち取ることに成功します。
百手巨人との戦い
現世へと実体化をはかる混沌の怪物、百手巨人。
勇者一行は収穫祭の祈りを利用し、アストラル界へと移動します。
先の闇人が召喚したものは指先の数本に過ぎず、本体はそれを大幅に上回る規模の巨大な化物でした。
人の世を脅かす、呪われし強大な魔物。
人知れず戦う勇者らは、この醜悪な祈らぬ者を闘いの末に消滅させました。
とある一党の全滅
白磁等級の冒険者パーティが消息を絶った。
世界中にありふれた話であるものの、その頭目たる剣士は、さる筋の令嬢でした。
彼女の身を案じた両親は水の都、剣の乙女に解決の糸口を頼ります。
件の依頼は、雪山に蔓延るゴブリンの殲滅。
剣の乙女の頭の中には、”小鬼殺し”といえば、たったひとりの御仁しか浮かびませんでした。
小鬼聖騎士
ねぐらを捜索するゴブリンスレイヤーの一党。
最奥の祭壇には、件の娘がまるで生贄のように寝かされていました。
やがて事件の背後に奇跡を扱い、知恵を持ち、奇妙な規範をもってゴブリンを率いるゴブリンの存在が明らかに。
ゴブリンスレイヤーは、この異形に「小鬼聖騎士」と名付けました。
アニメ版のゴブリンスレイヤーは上記からどうぞ。
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