マンガ【Dr.STONE】にて登場する、司王国における最強武力の一対、氷月についてまとめたページになります。
尾張貫流槍術と呼ばれる、古式ゆかしい武術を操る氷月。
司と双璧を為す究極武闘派の魅力を、この記事で再確認していきましょう。
尾張貫流槍術の使い手
氷月の得意とするのは、槍の柄に竹管の持ち手を取り付け、特異な軌道の突き技を繰り出す『尾張貫流槍術』です。
その強力無比な槍さばきはストーンワールドにおいて比類なき暴力のひとつであり、金狼・マグマはおろか、コハクですらも足元にも及びませんでした。
唯一彼と対等に肩を並べられるのは司のみであり、すなわち氷月自身もまた、霊長類最強の肩書を得ているに等しいのです。
実在する武術
尾張貫流槍術は実際に現存する武術であり、上記動画でその詳細を知ることが出来ます。
正面から見た槍先の軌道も冒頭に撮影されており、確かに軌道の読めない円形の打突であることが確認出来ますね。
そして横からのカットで分かるのは、管槍が思いのほか長いこと。
使用者の身の丈に対して、おおよそ二倍ほどの長物を操っています。
このリーチ差こそ、槍術が刀に対して圧倒的に優位性を見出せるポイントなのです。
しかし槍としてはこれでも短い部類で、中には5m越えのものや、織田信長などは6mを越える槍を勢作していたそうな。
より長い槍は突き技よりも薙ぐ・叩きつけるといった用い方をより重視され、その衝撃は2トンもの威力を発揮すると言われています。
冷徹にして冷酷な性格
氷月の持ち味は『他者への無感情』であり、毒ガスの有無を確認するために、司王国の戦闘員を犠牲にしたシーンは印象的です。
作中で死者が生まれる場面が非常に少ない本作において、明確に死亡者が発生したのは後にも先にもこの瞬間のみです。(石像破壊を除く)
彼にとって「ちゃんとしていない」人間の命など塵芥にも等しく、むしろ積極的に間引くべき悪因。
司が”未来ある若者だけの理想郷“を目指していたのに対し、彼の見るビジョンは弱肉強食のその先の、適合者だけの楽園だったのです。
思想の食い違い
十人居れば十色の考え方があるように、司と氷月の考え方もまた、異なるものでした。
彼の提唱するのは、いわゆる選民思想。
社会性を持つ生物を”働きアリの法則“に照らした時、フリーライダー(ただ乗り民)と呼ばれる働かないアリが一定数生まれます。
この2割のフリーライダーを氷月は、コロニーへなんの貢献もせず、延々と貢物を食い荒らす害悪として見ているのでしょう。
優しい者だけが生きる司世界と、強く貢献する者だけが生きる氷月世界。
作中でこれらは善悪論で一概に語られることはなく、彼らのひとつの主張としてそこに存在しています。
最強のライバルが仲間になるフラグ
クロノトリガーで言うなら、完全に魔王的立ち位置の氷月。
モズとの対峙にあたってジョーカーとして繰り出された際には、千空ら科学王国に肩入れすることを決めました。
非常に胸熱な展開です。
一度目の石化復活時に口の周りに拡がっていたひび割れも消え、まっさらキレイな口元へ変化。ゴリゴリのイケメンやんけ…。
なぜ味方についたのか?
かつては科学王国と敵対する司王国に属し、その後のひと悶着からずっと牢獄入りしていた氷月。
かなり都合の良い切り札として投入された感がある彼ですが、案外その心境は、ご都合主義とは呼べないような気もします。
もともと彼の『間引き』の対象は、有象無象の「ちゃんとしていない者」です。
そして上記コマから分かるように、氷月は科学王国民を、「ちゃんとしている者たち」として認識しています。
つまり氷月は司と違って科学王国を滅したいという気はさらさらなく、むしろ仲間として取り入れたい立ち位置だったんですね。
なにしろ科学王国民、誰もが一芸に秀でた技術者集団です。働かない怠け者はひとりとして居らず、誰もが目的のために邁進するつわものばかりですから。
よって石化王国と科学王国の板挟みの状況で、千空たちに肩入れすることはまるで不自然ではないでしょう。
長いこと檻の中で監禁されていたとはいえ、それだけで憎しみを募らせるほど、感情的な男でもないのですから。
アニメ版もオススメです。
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