先日リリースされた【Dr.STONE】の16巻。
その内容や感想を、若干のネタバレを含みながら紹介していきます。
遂に決着となる石化王国編。島全体を包む石化光線を発したイバラに、千空はどう立ち向かうのか？
そして明らかになるネクストステージ。次なる目標は、もう地球上ですらない!?
今巻は科学要素少なめで、メインストーリー重視、怒涛の展開となっております。
決着！石化王国 vs. 科学王国
島全体を包み込む石化光線の発動で、現場に残るのはイバラ、そして千空のみに。
本来なら絶対に不可避の光線をウルトラCで回避した千空ですが、いまだ戦力差は絶望的。
石化装置に加え、素の武力も常人より優れているイバラ。彼の前職は戦士であったことが明かされます。
人並み以上に武力値が低い千空にとっては、科学運用以外に勝ち目が無い相手です。
それにしても、割とムリゲー感マシマシの石化ビーム目前から、瞬間で打開策を見出した科学王国民。
やっぱクロムは出来る子だわ…。
最後まで一貫して悪役だったイバラ
これまで科学王国に敵対していたマグマや司、氷月はどこか憎めない一面を持ち合わせていました。
悪く捉えればそれらはブレの一種で、純然たる悪役を演じ切れない、半端な信念とも感じさせてしまいます。
ところがそこへきて石化王国のイバラ、彼は最後までチョコたっぷり。
ゲスゲスの実の能力者と言われる銀狼を抑え、暫定トップで大ゲス王の名を欲しいままにしています。
この振り切った悪党こそ、Dr.STONEにこれまで不足していた要素そのもの。
ラストは情けない断末魔を上げながら、想像通りの石化自爆で退場となりました。
その後の処置は明らかになっていないものの、貴重な硝酸を使用するに値する人物ではないので、彼が元通りになるとしても、それは遥か未来のことでしょうね。
カムバック・霊長類最強
実に15巻ぶりの懐かしいセリフ。
今回はライオンではなく、ホワイマンという未知の敵に立ち向かいます。
引用：Dr.STONE 16巻
司さんの凱旋だぁッ！
氷月によって手傷を負い、コールドスリープ状態に入っていた霊長類最強の男。
長い沈黙を経て、遂に蘇ることとなりました。宝島にプラチナがあって良かったねぇ。
ただし石化装置メドゥーサは、司を石化させたところで残エネルギー切れ。
最強武力と引き換えに、最強武力を得るという切なさがなんとも言えないです。
コールドスリープは現実的か？
司のコールドスリープに関しては行程などが大幅に差っ引かれており、本作には珍しく、ご都合主義に見えないこともありません。
そもそもコールドスリープと聞くと、近未来SFを想起する方が多いかもしれません。
ですが案外、冷凍長期睡眠に関しては実現可能とする意見が多いです。
問題は『解凍』側の問題であり、凍らせて眠らす部分は良くとも、溶かして起こす行程こそに障壁が多いとされています。
更には米・ミネソタ大学を中心とした研究チームが、淡水魚の胚の解凍に成功したというニュースが数年前に流れました。
そこへきて本作の解凍問題は、硝酸による石化復活で容易に解決可能。
よって司の復活は、現実とそこまで乖離した表現であるとは言えないでしょう。
とはいえ人間に施した例はもちろん公式には無いため、その部分のディテールを大幅にカットしたのは致し方ないことだったとも言えます。
月から千空の声！？
石化王国編が解決したとたん、事態はとてつもない方向へ。
なんとホワイマンの居所が、月面であるとの推論が成り立ってしまったのです。
ワァオ、飛躍しゅごい……
しかも電波に乗って流れてきたのは、ほかならぬ千空の声とのこと。
もうなんだかワケわからん状態なのに、やっぱり楽しそうにし始めるモノ作りチーム。
科学者ってポジティブだね…。
先が読めない展開
千空ボイスを流用した謎に加え、月面に陣取るホワイマンの謎。
更には3700年前に地球を石化させたという最大のミステリーも控えており、風呂敷は限界まで広げられた感があります。
どういう回収の仕方を考えているのか想像すらも出来ない、まるで先の読めないマンガですね。
昨今珍しいくらい、次巻の内容が気になってワクワクさせられる作品ですわ。
科学描写だけじゃなくて、シナリオ構築もスゴいよね…！
ホワイマンは人間ではない？
タイムリープやドッペルゲンガー説を否定すると、ホワイマンは千空の無線の声を拾い、即席で合成音声を組み立てたことになります。
なぜわざわざ人の声を拝借するのか？
それは前回のコンタクト時もモールス信号のみであったことから、何らかの理由で声が出せないと考えるのが自然でしょう。
声が出せない＝空気が存在しない、ということか？
つまり月面で酸素供給無しに、延々と地球上を見張っている状態であると考えるのがベターなのではないでしょうか。
そもそも3700年前に地球を丸ごと石化した犯人と、今回のホワイマンが同一人物であるならば、当然ながら寿命のある人間ではないことになります。
よって精巧なAIによる犯行と見るのが、現時点では最も可能性が高い推察に思えます。
なぜ人類を石化させるのか？
松風の生きていた時代に、村を大量の石化装置で滅したことにヒントがありそうです。
彼らは科学技術などには秀でておらず、無線の発信も不可能だったでしょう。
しかしなぜか村は石化の標的となり、大量のメドゥーサに襲われることとなりました。
電波以外の観測方法も用いている？
なんらかの手段で月面から観測された松風らは、問答無用で光線を浴びることとなりました。
しかし科学王国からの電波受信後にも石化装置が降り注いでいないことから、恐らく月面上の石化装置はすべて使い果たされた状態であると考えられます。
また電波観測以外の方法は精度が低いようで、かなり見逃されている人類は多いこととなります。
そうでなければ、とっくに石神村以下は、石の街と化しているはずですから。
見出しの解答はここでは導けないものの、少なくとも『人間を見たら片っ端から石化させる』というのがホワイマンの目的のようです。
それは科学技術を持っていようとそうでなかろうと、例外は無さそうですね。
まとめ
ともあれ、すべては謎だらけ。
ホワイマンの目的や出自、そしてアメリカ大陸の現状などなど。
次巻以降も見どころたっぷりの、続きが気になって仕方ない出来映えでした！
アニメ版もオススメです。
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