マンガ版【化物語】にて、各ヒロインとそのエピソードをまとめたページです。
今回は正史ルートこと、戦場ヶ原ひたぎ編。
物語シリーズで最初の怪異である、『蟹』に囚われた女子になります。
アニメ版を未見の方はもちろん、視聴済みでも十二分に楽しめる内容となっています。
なお、ややネタバレを含むため、「前知識が必要無い」という方はご注意ください。
それではさっそく、いってみましょう!
『蟹』によって体重を失った戦場ヶ原
巨大な蟹の怪異によって、「体重を奪われた」という戦場ヶ原ひたぎ。
彼女の重量は1/10ほどしか存在せず、逆に言うと、周囲のあらゆるものが10倍の質量を伴うように感じています。
ここだけ切り抜くと、「別に困らないだろう」と思うかもしれません。
しかしヒトは、『普通でない状態』にとても弱い生き物です。
これを何かしらの呪いだと感じた戦場ヶ原は、これまでに5人もの自称:呪術師に助けを求め、そしてその全てが詐欺師でした。
偶然彼女の秘密を知った阿良々木は、武力行使(文房具)にて秘密の口封じを受けることに。
カッターナイフを口の中に突っ込み、コンパスの針を目に突き付け、ホッチキスで咥内を閉じる。
まあ普通、これだけされればかかわり合いになることはヤメるものです。
しかしそこは、普通の人間とはちょっと違う阿良々木くん。
彼女が”自分で助かる“ための、道案内を買って出ました。
重し蟹と思し神
重い=思い
蟹に奪われたと思っていたそれは、実は彼女を護るための善意。
お人好しの神によって、心を壊されないように護られていたことを知る戦場ヶ原。
母との縁を断ち切ってもらったことに謝意を示し、そしてこれからはそれを自らで背負うことを誓うのでした。
I LOVE YOU
渾身の告白シーンはコチラ。
自称:タチの悪い行き遅れのメンヘル処女こと、戦場ヶ原さん。
どうにもこうにも、半人半鬼の善意バラ撒き男子高校生を、心から愛してしまうのでした。
そう、この物語は、阿良々木暦と戦場ヶ原ひたぎが、恋人同士になるお話なのです。
告白の返事は、もうアレしかない。
蕩れ。(萌え + 比較級 最上級系)
草冠に湯と書いて、萌えるの上級系を為すテクニカルワード。
化物語の名シーンと言えば真っ先に上がる、彼らのこのやり取り。
いずれ『結物語』で回収される伏線でもありますが、それはマンガ版ではまだまだ遠い未来のハナシ。
心を折る毒舌トーキング
戦場ヶ原の魅力と言えば、この上ない猛毒舌を知的なエッセンスを散りばめて阿良々木に突き付ける、そのサディスティックな一面。
通常の男子であれば数瞬ももたないようなポイゾニック・トークですが、そこはもちろん、我らが主人公。耐え難きを耐え、忍び難きを忍びます。
むしろ、負けじとキレキレのツッコミを繰り出す阿良々木との相性はバッチリ。
女房役が居てこそ、剛球は映えるのですから。
この会話の応酬こそ物語シリーズの最大の見どころであり、面白さの詰まったオイシイ部分なのです。
ヒェッ!
恐ろしい脳内イメージ画像ですが、この物語はホラーサスペンスではありません。繰り返す、これはホラー作品ではないッ!
とまあ、こういう血みどろを匂わせるような冗句の交わし合いがあってこその、阿良々木と戦場ヶ原です。
甘々な恋人関係とはほど遠い、セクシー&バイオレンスの世界へようこそ。
好きな子ほどイジメたくなる理論
と言ってもこれらは全て、好きの裏返し。
逆に言えば戦場ヶ原も、何とも思わない人間にはこれほどの毒を散布することはありません。
揺るぎない愛という大前提があるからこそ、笑って見ていられる言葉の懲罰。
100%安心安全な、限りなく純粋無垢な関係性なのです。
神原と戦場ヶ原
中学時代、『ヴァルハラコンビ』として体育会系の羨望を一身に集めた、戦場ヶ原と神原の過去。
しかしその当時の戦場ヶ原は自身を虚飾し、望まぬ栄光を浴びることで母の心を得ようと躍起になっていた頃です。
そんな彼女を一方的に敬愛し、盲信し、愛を捧げた神原。
しかし周囲のすべてを拒絶した戦場ヶ原にとっては、自分を慕う後輩もその対象でした。
そして現れた、阿良々木暦。
嫉妬の魔物が、猿臂の左手となって彼を襲います。
戦場ヶ原が考える物事の解決方法は、いつもシンプルで真っすぐなのです。
紆余曲折や遠回りを繰り返す阿良々木とは正反対の、単純明快で迷いのない一本道。
『蟹』から解放された彼女にはもはや何の力もないのに、怪異に向き合うその姿は、威風堂々たる凄みを常に感じさせます。
猿、詐欺師、そして神。
彼女が戦うことになる相手は、まだまだ引く手数多なのです。
アニメ版は上記からどうぞ。
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