マンガ版【化物語】にて、各ヒロインとそのエピソードをまとめたページです。
今回は道端のオアシスこと、八九寺真宵編。
「噛みまみた」で一躍有名となった彼女が、果たして漫画ではどのように描かれているのか?
アニメ版を未見の方はもちろん、視聴済みでも十二分に楽しめる内容となっています。
なお、ややネタバレを含むため、「前知識が必要無い」という方はご注意ください。
それではさっそく、いってみましょう!
究極拒絶系ファーストコンタクト
初見の相手に串刺し大ダメージを与えるに、これほどストレートでエッジの効いた文言はありません。
八九寺真宵は、阿良々木暦が大嫌いだぞッ!
という態度にも実は事情がふんだんに含まれており、これは彼女なりの気遣いの現れ。
きっと阿良々木のように困っている姿にいたたまれず、かつて何人もの人々が彼女に声をかけたはずです。
そのすべてが徒労に終わったことを、きっと深く悔い、諦観し、自嘲したのではないでしょうか。
ともあれこの隙の無い女児は、他人に助けられることを善しとはしないのです。
そしてその理由は、戦場ヶ原ひたぎとはまた少し異なるものとなります。
頭に触れるべからず
顔怖すぎィ!
迂闊な頭頂部へのタッチングは、骨をも砕くデス・バイトとなってお返しを頂けます。
肉体の損壊を即座に治癒出来る特異体質の方以外は、申し訳ありませんが接触をお控えください。
こうした異常行動の由来も、結局は前段の「大嫌いですッ」と同じ理由。
決して、誰彼見境ナシに血肉を貪るような口癖の悪さは無いので、特定危険肉食獣としてハントの依頼を出す必要はありません。
伝家の宝刀:噛みました
アニメ版では遭遇のたびに異なる文言の言い間違いを繰り出し、それに呼応する阿良々木の姿は風物詩でした。
マンガ版でもそれらは踏襲され、随所で八九寺の『噛み』が炸裂します。
ボケ&ツッコミのスキットは本作の醍醐味であり、肩の力を抜いて見ることの出来る貴重なオアシス区間。
基本形は「阿良々々木さん」一個多いヤツ。
その他色々、さまざまな固有名詞や動詞に形容詞と、一文字二文字を置換することでクスリとさせる仕掛けが施されています。
このあたりは原作由来なのですが、大暮維人クオリティによるオリジナルのワンセンテンスも配置されています。
ボケのキレも鋭い八九寺
小学生らしからぬボキャブラリーを駆使し、多方向から変化球で攻め立てるスタイルの八九寺。
年齢ギャップと可笑しな文言が、シュールな笑いを誘う現代モダン。
恐るべき才を持つこの小学生に相対する自信が、あなたにはお有りだろうか?
『まよいマイマイ』完結後も、こうしたワンショットはしばらく続くことになります。
いずれ来たる未来(しのぶタイム)を知っていると少し胸が痛むような気持が拭えませんが、それまでのあいだ、彼らの微笑ましいやり取りを見守りましょう。
幸福は主観なのです
都合により別居していた母に会うため、道に迷い続ける八九寺真宵。
現実は救うも救われぬ真実を辿っていたものの、結果的に彼女は、幸福な結末を迎えます。
真実≠事実
面白いもので真実と事実は必ずしも同じではなく、時にそれは正反対であることすらも。
幸福の定義なんて曖昧なもので、相対的でなく絶対的なフィルターであればこそ、思わぬところにハッピーエンドは転がっているのです。
何も変わらず、何も解決していない。
それでもハッピーで微笑ましい。そんな終劇があったのです。
レジェンドなアニメ版は上記から。
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