Amazon発のオーディオ型プラットフォーム、Audible。
本記事ではその中でも特にオススメな、耳で聴けるライトノベルを紹介していこうと思います。
主にアニメ化されたものが更にオーディオブック化されていることが大半であるため、その実力は折り紙付き。
演じるナレーションもプロフェッショナルの声優が担当しているので、耳に優しく、内容がすらすらと頭に入ってくるのも嬉しいところ。
通勤・運動・就寝中などなど。何かをし”ながら“聴きにぴったりな、高品質で味わい深い音声作品を楽しんでいきましょう。
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オーバーロード
VRMMORPG『ユグドラシル』サービス終了の瞬間。
ギルド『アインズ・ウール・ゴウン』のメンバーであるモモンガは、ひとりその瞬間を迎えようとしていた。
しかし定刻になっても強制ログアウトは行われず、それどころかNPCは自己意識を持ち、自由気ままに動き始める。
自分がゲーム内に召喚されたことを察したモモンガは、アンデッドとして行動を開始する……
アンチヒーロー作品の金字塔。
主人公はアンデッドの頂点たる『オーバーロード』として君臨し、自身のギルドの威光を四方世界に轟かせることを目論みます。
重厚なストーリーと膨大な登場人物、そしてそれぞれの背景が練り込まれた傑作ですね。
アインズが、人間とアンデッドの間で揺れる二面性も見逃せません。
ナレーションの男性ボイスが吉開 清人さん、女性ボイスが森 史絵さんです。
残虐で荒涼とした世界を如実に表す、見事な表現力がキラリと光ります。
情景がスッと浮かぶ分かりやすい言葉選びが素晴らしく、まさに耳でする読書の名にふさわしいでしょう。
転生したらスライムだった件
通り魔に刺され、37歳で人生を終えた三上悟。
異世界にて最弱モンスターである『スライム』に転生した彼は、ある日『暴風竜ヴェルドラ』という天災級モンスターと出会い、そこで大きく運命の歯車が動き出す……
『転スラ』の愛称でお馴染みの作品。
いわゆる異世界転生モノで、死後スライムとして目覚めた主人公が魔物の存在する異世界を、知略とガッツで統べるストーリーになっています。
戦略と戦術にて、戦乱の世界を戦うお話です。
なお読み手は、主人公リムルをアニメ版で演じている岡咲 美保さんです。
ひとり何役もこなす見事な演技力で、はきはきと滑舌が良く、聞いていて非常に気持ちがいい声色になっていますね。
ボーイッシュなデフォルト音声から黄色い悲鳴まで、とっても音域が広い声優さんです。
無料で数分の試聴も可能なので、気になるならチェックしてみてください。
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。
リア充を呪う陰キャの極みを走る、男子高校生の八幡。
そんなひねくれ男が、学校一の美少女・雪ノ下雪乃が所属する『奉仕部』へ入部したことで、奇妙な学校生活がはじまっていき……
ぼっち・人間不信・クズ発言と三拍子の揃った主人公作品。
『奉仕部』という奇妙な部活動へ、半ば強引に入部させられるところから物語が始まります。
伏線や感情の機微など、考察の余地がおおいにある作品なのが特徴。
アニメ版を中心に大盛り上がりしたコンテンツであるため、Audible版も必然的に上質なのは明白ですね。
場面ごとの感情考察は、おおいに視聴者を沸かせました。
出演は男性ボイスが石井 一貴さん、女性ボイスが戸田 めぐみさんとなっています。
落ち着いた重量感のある声色と、艶のある演技力に定評のあるお二方。
かけ合いもバッチリで、ありありと情景の浮かぶ演技力には膝を打つでしょう。
本好きの下剋上
とある本好きの現代人が異世界にて転生を果たす。
魔法の力で貴族が世を統べる世界に生まれ落ちた彼女――マインは、本を世に広めるため、あらゆる困難に立ち向かう……
『このライトノベルがすごい!』にて、2018~2019の2年連続で第1位をかっさらった話題作品。
本を愛する少女が、類い稀な魔力と継承した現代知識を駆使し、ただひたすらに本を生み出すために邁進する物語です。
本の作製という単一のタスクだけでなく、多くの確執や陰謀を乗り越えるタフなストーリーなのが特徴です。
声の出演は井口 裕香さん。
しっとりと落ち着いた音域が心地の良い、とっても癒される優しい口調ですね。
あまりに気分が良いため、ほのかに眠くなる副作用もあるものの、逆に考えると睡眠導入用としても優秀?
リアデイルの大地にて
現世で命を落とした桂菜は、異世界にてハイエルフとして目覚める。
そこは彼女が死の直前までプレイしていたオンラインゲームの、更に200年後の世界だった……
異世界転生+最強系の原初と言われる、あらゆる俺TUEEE!にインスパイアを与えた黎明期の傑作。
細かな描写や心象風景に定評があり、勢い任せで稚拙な凡作とは一線を画しています。
ラノベ好きいわく、昨今の異世界転生系にとって、原典のような存在であると言います。
初出は古いですが、いまだに愛される作品なのです。
ナレーションは小田切 優衣さんです。
幼い少女から年増の中年まで、涼やかに演じてみせる熟達のワザマエ。演じ分けの切り替え力がバツグンなのです。
幼女戦記
人事部のエリートサラリーマンが、リストラの逆恨みで殺された。
やがて異世界で目を醒ました彼は、自身が生まれ間もない幼女であることを自覚する。
魔法を用いる帝国軍へ所属したターニャは、敵国を打ち倒す覇道を突き進み始めるのだった……
異世界転生で幼女に生まれ変わったサラリーマンの物語。
主人公は魔法の世界で武功を挙げ、立身出世を目論むこととなります。
徹底した効率化と情け容赦のない戦術が特徴で、甘さや慈悲を感じさせない、冷酷なターニャにこそ魅力のある作品です。
ターニャは敵味方から『死神』『悪鬼』呼ばわりされるほどの逸材。
男性ナレーションが山崎 健太郎さん、女性ボイスが佐野 愛さんとなっています。
メインはモノローグを語る男性声のため、そこだけは留意しておきましょう。
盾の勇者の成り上がり
四聖勇者のひとりとして、異世界に召喚されたナオフミ。
四武器の中でも盾を司る彼は、理不尽な嫌がらせと巧みな罠に嵌まることになる。
命の危機に瀕することで、ナオフミの中に黒い情動が宿り始め……
転生でなく異世界召喚モノ。
魔法の世界に呼び出された四人の若者が勇者となり、各々パーティを集めて魔との戦いに挑む物語。
品性下劣な登場人物が多く、主人公のナオフミが悪意に晒され、堕ちるところからが本格的なスタート。
序盤は徹底した人間不信、そこから徐々に這い上がるストーリーです。
ナレーターは矢尾 幸子さん。
中世的な声色で若者を演じる技量は、素晴らしく聴きやすいボイスブックに仕上がっています。
終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?
500年前、『獣』によって尽く滅ぼされた地上世界。
僅かに生き残った地上の種族は故郷を追いやられ、空に浮かぶ”浮遊島”へと逃げ込んだ。
唯一生き残った人間族のヴィレムはその日、500年ぶりに目覚め、やがて妖精兵のクトリと出会う……
『すかすか』の愛称で親しまれる作品。
作品自体の世界観を読み解くのが非常に難しく、時間を使ってゆっくり味わわないと消化できない一面があります。
そのぶん、霞がかった真実に到達した時のハッ、とする感情もひとしお。
いわゆる”バッドエンドのその先“を描いた作品で、そこはかとない絶望感と憂鬱さがクセになります。
作中では単純な『世界の終末』でない、それぞれの終末を追う物語になっています。
声の出演は矢尾 幸子さん。
聴きやすく落ち着いた声と、さまざまな人々を演じ分ける技量がグッドです。
この素晴らしい世界に祝福を!
不慮の事故でこの世を去ったカズマ。
彼は異世界への転生にあたって、「ひとつだけ好きなものを持ち込める」特権を活かし、なんと女神自身を所有物とすることを希望。
上位存在をお供に、カズマの異世界ライフが始まりを告げる……
『このすば』でお馴染みの異世界転生作品。
ややゲスめな主人公とパーティメンバーが織りなす、ドタバタ劇を楽しむ内容になっています。
カズマ本人がチート性能を持っているのではなく、あくまで連れている女神がチートなのが特徴ですね。
頭脳戦や立ち回りなど、意外なシーンで驚かせられることも多いです。
担当するナレーターは雨宮 天さんです。
ゼロの使い魔
平凡な男子高校生の才人は、突如、異世界ハルケギニアへ召喚されてしまう。
彼を呼び出したのはゼロのルイズ。落ちこぼれの魔法使い。
かくして魔法世界に呼び出され使い魔となったサイトは、否応なしにルイズの下僕として働くことを余儀なくされる……
ツンデレの定義を世に広く知らしめた、名誉ある作品がコレ。
落ちこぼれ魔法使いと、それに召喚された平々凡々の高校生タッグが、押し寄せる脅威に時に手を取り合い、時に反目しながら立ち向かう内容となっています。
サイトとルイズとの距離が徐々に縮まっていく様には、全国がニヤニヤさせられたとか。
ナレーションはルイズの声優と同じく、釘宮 理恵さんです。
少年のモノローグと可愛らしい女子声の使い分けが匠の技で、とても心地良いボイスブックとなっています。
フルメタル・パニック!
傭兵組織『ミスリル』に属する宗介は、日本の高校に潜入し、特殊能力者千鳥かなめを保護する役割を担っていた。
しかし幼少より軍事活動しか知らない彼は、あまりの非常識さで周囲を呆気に取らせる。
学級委員長のかなめは呆れつつも、彼の突飛な行動の尻拭いを買って出て……
ミリタリー×SF×コメディの有名作品。
タフでクールな主人公――宗介が最高にイカしていて、冷血なる暗殺傭兵の一面と、ほのかに垣間見える優しさの影が胸に刺さるコンテンツなのです。
過激で歯に衣着せぬ物言いのヒロイン――かなめの存在もあいまって、非常に魅力的な近未来の世界観を描き出す作品であります。
宗介は男性主人公に珍しく、人気投票で1位を総ナメするキャラでもあります。
ナレーションは、男性ボイスが松本 忍さん、女性ボイスが松嵜 麗となっています。
シブい声色のダンディズムを感じる演技が、宗介のイメージとぴったり合致しますね。
ロードス島戦記
おぞましい魔神戦争から30年の月日が経った。
騎士を夢見る冒険者パーンは、仲間と共に故郷を旅立つ。
一方、英雄戦争の裏で暗躍する『灰色の魔女』は、ロードス島に再び、激しい騒乱の風を巻き起こそうとしていた……。
本ページの中ではとびきりに硬派で王道を走る、良い意味で前時代的な不朽の名作。
初出はなんと1988年というのですから驚き。
それでも今なお色褪せない、魅力的で重厚な世界観はさすがのひと言。
試聴すれば分かりますが、語り口が古臭くて聞けない、なんてことはまるでありません。
TRPG的なファンタジー世界にワクワクさせられます。
声の担当は高橋 研二さんと〆野 潤子さん。
色のあるキャラ付けをあえて排した、役割への没頭感が至上のキャストに思えます。
広がる世界観を大事に扱った、厳かで重鎮な響きが全編で保たれます。
魔法少女育成計画
人気ソシャゲ、『魔法少女育成計画』
実はこのゲーム、数万分の一で現実に魔法少女を生み出す能力を有していた。
ある日、N市に住まう魔法少女らに、ゲームの運営者から一方的な通告がなされる。
それは「16人の魔法少女を、半分の8人まで減らす」という、無慈悲なものだった……。
能力を持った少女同士による、生き残りをかけたサバイバルアクション作品。
残酷で非情な運命に翻弄されながらも、各々が自身の本性を剥きだしていく部分に見どころが詰まっています。
群像劇としての側面が強く、ひとりひとりを深掘りするというよりは、多くの背景を重ね合わせた時の、化学反応を楽しむタイプですね。
バトロワ式デスゲーム×魔法少女の異色な取り合わせです。
声の出演は大森 ゆきさん及び、佐藤 恵さんです。
明るい声と聞き取りやすいナレーションで、陰惨な物語との対比がより映える仕様になっていますね。
フェアリーテイル・クロニクル
不慮の事故でプレイ中のMMORPG、『フェアリーテイル・クロニクル』へ召喚された宏。
偶然再会した春菜と共に、ファンタジー世界での自給自足生活が幕を開ける……
異世界でのモノづくりファンタジー作品。
MMORPGの世界に転生した主人公が、持ち前の生産スキルの高さを活かし、色々なモノを精製していくストーリーです。
ありがちな「魔力で瞬間生成!」ではなく、技術者からの視点で逐一丁寧なクラフトを描くため、リアリティに富んだ持ち味がウリとなります。
著者がモノづくり会社の代表ということで、クラフト部のディテールが精細なのです。
ナレーターは矢尾 幸子さんです。
声質は文句無しの上質さですが、会話部分に関西弁が入るので、やや好みに差が分かれるかもしれません。
(特に、関西圏の方はイントネーションがやや気になるかも)
妹さえいればいい。
常軌を逸した妹愛を、自身の作品内で如何なく発揮する小説家、伊月。
ある日彼のもとに、義母の連れ子、千尋が現れる。
「義理の弟」として紹介された彼だったが、何を隠そう。実は千尋こそ、伊月が求めてやまない、『妹』そのものだったのだ……
作家とそれを取り巻くおかしな人々を描く、日常系ドタバタコメディ作品。
自身の作中で妹をとにかく登場させ、あまつさえ不自然に全裸とさせることへ執念を燃やす伊月。
そんな息子に危機感をおぼえた父が、再婚した妻の連れ子に、「弟である」と偽装させることで物語は幕を開けます。
伊月が妹を渇望し過ぎるゆえに、いざそれを得たらエラいことになると予見したのです。
声の出演は猪股 慧士さん、綾瀬 有さん。
男性ボイスの変態的妄想モノローグが、良い意味でとてつもなくハマっています。
女性ボイスも非常にかわいらしく、全編通して満足の出来映えですね。
まとめ
どうでしょう。すでにアニメ/漫画/ノベルを視聴済みの作品でしたか?
中には小説版を読みながら、同時にオーディオブックを流す、という通な使い方をする方も居られるようです。(レベル高い……)
また同じ作品であっても、媒体が異なるとまるで違う印象に変わることもあります。
お気に入り作品であるからこそ、もう一度ボイスブックで聴き直すのも味がありますよね。
今後ますます発展していく見込みであるAudible市場。
今のうちに先取りしておくと、話題の中心にもなれるかもですね。
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